先日、完成したあきしま相互病院の増築棟を見学してきました。
私が携われた期間は半年でしたが、建物が完成するまでの過程を見られたのは入社してから初めての経験で、当たり前かもしれませんが図面と同じものを実物で見られたことに感動しました。
設計期間で一番印象に残っているのは今年5月から月一回で開催されたアメニティ委員会です。
病院で勤務する看護師・栄養士・理学療法士など15名が集まり病棟の内装を決めていくのですが、患者さんが使用する病室や廊下、トイレなどの内装を決める際に職員の皆さんが常に患者さんの視点で意見を述べていたのが印象に残っています。
患者さんがトイレを使用するときのシミュレーションを実際のトイレで行い、手すりや呼出ボタンなどの位置を議論したり、患者さんが認識しやすいピクトサインを決めたり、患者さんを日頃近くで見ている職員の方々の意見を聞くと、私も病院の日常生活をイメージでき大変勉強になりました。
完成した病棟を歩いていると「あ、あの時決めた壁紙だ」と、職員の方々がこだわって決めていた内装材が目に入り、委員会での話し合いを思い出しました。職員の方々にとっても愛着が湧くデザインになることを願っています。 (北)