私たちはこれまでに多くの人の住む人使う人のための施設づくりに関わってきました。
家庭や地域社会はますます人間関係が希薄になり、地域力が失われています。それを支える医療や福祉分野では制度改革に伴う変化が激しく、事業そのものが困難な状況に置かれています。建築分野では、建築工事のコスト破壊が進み、さまざまな事業手法が持ち込まれるなど、建築主にとって建築事業がますます分りにくく難しくなっています。
建築専門家に期待される役割は、設計・工事監理にとどまらず幅広くなっています。
施設づくりの全過程を通じて事業主体者である建築主が納得できる建設の進め方。施設を利用する人の全ての意見をくみ上げる設計の進め方。地球規模での環境問題への関心、耐震性など建物の安全への関心も広がっています。
建物は土地に建てられる以上、その地域の生活と環境に影響をもたざるを得ません。施設機能がより効果的に役割を果たすために、施設づくりを通じて地域の結びつきを強め人々が支えあう仕組みを生み出す取組みが各地で進められています。
私たちはそうした取り組みに共感しながら設計・工事監理を中心に、建設事業企画やコンサルタント、完成後の保守管理に至るまで、幅広い分野で対応しながら「住む人、使う人」の要求にきめ細かく応えていく決意です。
私たちは起業にあたり、企業組合という組織形態を選択しました。自由な発言の場を保障することで、ともに働く良さと喜びを発現したいと考えたからです。協働によって、自らの技術を高め、得意な専門性を発揮しながら、時には他分野の専門家と手を結び、広範な課題に対応していきたいと考えています。
2007年3月